お母さんの借金癖で思ったこと

私の母は4年前に74歳で他界したのですが、元気な頃は借金癖があり困ったことがありました。知人友人ご近所さんに親族、あちこちで借金を作り、年金が入ると全て借金返済で無くなっていました。私が働いて頂いた給料を生活費に充てていましたが、それも借金返済に回ることも珍しくありませんでした。どうしたら良いものか考えていた矢先に、母は消費者金融にまで手を出してしまいました。その時は弟が全額肩代わりしてくれましたが、また勝手にお金を借りて来て困り果てていました。

私は母の年金口座を管理していたのですが、「何故お前が私の通帳を持っているんだ!」と絶えず怒っていました。そんな生活が嫌になり、私は引っ越しを決意するタイミングで、役場へ行き職員に相談することにしました。役場で母の事情を話すと、社協(社会福祉協議会)の方が相談に乗ってくれました。そして、日常生活自立支援事業という福祉サービスを受けることにしました。この福祉サービスは、各種手続き、契約、お金の出し入れ、生活に必要な利用料などの支払い手続き、年金や通帳など大切な書類の管理を手伝って頂ける事業です。当初、母は通帳を預けることに猛反対していましたが、職員の方が説得を重ね同意してくれました。その後は、1週間に1度だったと思いますが、必要な生活費を出してもらっていました。

私と再び同居するようになった時には、福祉サービスを受けることはなく、借金癖も治まり、私に通帳と印鑑の管理を任せてくれました。女手ひとつで4人の子供を育てるのは並大抵ではなかったと思います。もしあの時に役場で相談していなかったら、今頃もっと借金が増えて大変だったと思います。母も次第に事の重大さに気付いたようで、福祉サービスを利用して本当に良かったと心から感謝しています。日常生活自立支援事業は公共福祉サービスなので、利用料はそんなに高くはないと思います。借金はしない・させないに越したことはありません。もし、隠れて借金を作ってしまったら、専門家に相談することを強くお勧めします。

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