仲の良い友人の家に、遊びに行った時のこと、毎回のようにバーベキューや餃子、手巻き寿司などをごちそうになり、友人のご両親とも親しくなってきた頃、ふとお風呂に入っているご両親が大声で喧嘩している声が聞こえてきました。喧嘩の内容は仕事に関するものでしたが、それにしても年齢のわりには、朝から晩まで働きづめの友人のご両親が心配になり、友人に話してみると、昔脱サラした友人のお父さんが布団屋を始めて、失敗してお店をたたんだ時に借金になり、身内はおろかあちこちご近所でも保証人になってくれた人に、返済をしているとのことでした。友人にもそのせいで借金があるようで、最近借り入れ先から、職場にまで電話がかかってきており、その場で苦情を言ってもおさまらないと言い、大変困っていました。借家でお金持ちではなさそうだと感じてはいましたが、友人が親の借金問題で苦しんでいることにショックを受けました。そこで私は、少し貯金がありましたので友人に現金でお金を貸すことにしました。友人のことは大変信頼しておりましたので、毎月3万円の返済ということで、誓約書も書くと言われましたが、もらいませんでした。それから友人は大変そうでしたが、一回も遅れることなく私にお金を完済しました。私もいろいろと親にイライラして愚痴を言うことが多々ありますが、そんな時、今でも当時「親は選べないから」と淡々とお金を返してくれていた彼を思い出してしまいます。