私の友人の話です。
友人は、大学受験で、希望しない学科を、滑り止めとして、受けてしまいました。
そして、残念な事に、そこしか受からずに、その大学に行く事になってしまいました。
案の定、大学の授業内容は興味がないもので、大変に、つまらない毎日になりました。
そして、このまま、あと、4年近くもいられないと、早くもその一年生の夏休みで、退学をする事に決めてしまいました。
友人の家は、裕福ではなく、両親がやっとな思いで、大学の費用を捻出した事を、本人はよく分かっていました。
友人は、中退した大学の入学金と、授業料を、自身の借金と考えて、親に返すつもりでいました。
秋になり、友人は、すぐに仕事を探し、そして猛烈に働き始めました。
そして、半年程経った、冬のある日の事です。
改めて、親を前にして、自分の半年働いて貯めたお金を前に差し出し、「大学を途中で辞めて本当に、すみませんでした。半年貯めてまだ、入学金と、授業料の半分も返せませんが、どうか、これを受け取って下さい。」
と言って、頭を下げたそうです。
両親は、それを見て、前に置かれたお金を受け取らずに、「これは、次に行きたい学校が見つかったら、その時に使いなさい。まだ、若いのだから、勉強したいものが有れば、学校に行って勉強した方がいいよ。お金は、そういう時にこそ、使うものだからね。まだまだ、行かなかった大学の分の学費分は、貯金であるんだからね。」そう言って、笑ったそうです。それから、再度、受験をし直して、希望の学校を卒業しました。

債務整理 弁護士 北九州